私鉄沿線97分署 第36話「アイツったら…さらわれた!?」

私鉄沿線97分署

2024-07-20

パソコン天才少女のマリ(時田成美)が自作ゲームの印税でもらった600万円。父親でギャンブル狂の岸本(内田勝正)はサラ金の借金返済に娘の金を当てにしていたが、マリではなく岸本が身代金目的で誘拐されるというストーリー。

1985年7月14日放送だが、ロケ地の建物や景色が割とよく映っていて、当時の郊外都市の雰囲気がよくわかる。

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アフリカの子どもたちのために、97分署の奈良刑事(鹿賀丈史)に100万円を託したマリ。マリが名乗らなかったため、刑事たちは総出でマリの身元を調査する。学校前で中学生たちを呼び止める倉田(高橋長英)と九十九(新沼謙治)。

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ここは97分署の学校のロケ地としてよく出てくる横浜市立あざみ野中学校。正面玄関のデザインがちょっと変わっていて、私立かと思っていたがそうではなかった。



次に松元(小西博之)と田島(四方堂亘)が中学生たちに聞き込みをするシーン。

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左手のビルの階段の手すりからして、このビルはショッピングモールの「フレルさぎ沼」であろうと。松元の左側奥に安藤マンションがチラッと映っている。



松元と田島がふと見ると、道路向かいのパチンコ店「レインボー」で騒ぎが。岸本が磁石でパチンコ玉を操作しようとしたのがバレ、店員ともみ合いになっていた。位置関係からしてこのレインボーはシャレードというパチンコ店だったらしいが、今は建物も取り壊されたみたい。2023年3月まではあったようですが、9月付けのGoogleストリートビューでは更地になっている。

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「レインボー」は第10話の「年忘れラストショー!」でも出てきたパチンコ店ですね。前の公衆電話から相原(早見優)が署の片山に連絡していた。

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バス代がないという岸本を自宅のスナックに送り届けてやると、ちょうどマリが学校から帰って来た。あわてて岸本は隠れようとするが、「今度は何やったの!」と娘にしばかれてしまう。

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こういう役を内田さんがやるのはめずらしいなと思います。普段はもっとグレードの高い悪役が多い。奉行とか組織の幹部とか。

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パソコンが一般家庭にも少しずつ普及し始めた頃でしたが、当時はPC-8801が10万ぐらいしたかと思う。中学生で持ってるのは金持ちという感じでした。それもほとんどゲーム用で、プログラミングする中学生はまだめずらしかったでしょうね。

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職場でもパソコンなんてまだほとんどない時代。97分署にもようやく科学捜査用のパソコンが入ったという設定で、一台40万という話。考えてみればハイスペックPCなら今でもそれぐらいの値段じゃないのかな。デフレでほとんど価格変化がないのだと思う。

MSXでBASICを打ち込んでいる。パソコンの画面と言えば真っ黒な時代でした。

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多摩川河畔を歩くマリと奈良たち。背後にチラッと見えるのは二ヶ領上河原堰ではないとか思います。奈良はマリに、父親の借金を肩代わりしてあげたら?と言うが、「冗談でしょ」と突き放すマリ。時田成美さんは「笑点」の子ども大喜利にも出ておられましたが、この回では役柄のためブスッとした表情が多かったです。

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「誘拐された!?」という通報を受け、勘違いした松元と田島がマリの担任の及川(和田周)をはがいじめにする場面。川崎市麻生区の虹ヶ丘団地の傍を走る寺家第7号線で、松元の後ろにすすき野第2団地の10、11号棟あたりが見える。階段が特徴的なデザイン。

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ここらへんは撮影当時とあまり変わってないですが、マリの後ろに見える酒屋さん?は今は内科のクリニックになっている。最近どこでもやたらと医院が増えたと思う。



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サラ金業者の達磨組の組員たちが不穏な動き。誘拐犯とにらんだ松元たちが尾行する。組員たちはあざみ野駅前の「あざみ野センタービル」に入っていく。階段下脇にある赤電話が懐かしい。昔はここに「あざみ野ホール」という貸会場があったらしい。



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あざみ野センタービルもだいぶ変わったみたいですね。昔は美容室と公文式が入ってたようだが、今は松屋とカラオケ店になっている。

誘拐犯から指示され、「プラザビル」に入っていくマリの母親(辺見マリ)。後から追う奈良と仁科(斉藤慶子)。「中和ビル」の看板があります。

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川崎市多摩区登戸。ここは小田急線の向ヶ丘遊園駅の前で、東急とは商売敵ですかねえ。今回はエレベーターと階段の利用がトリックになっているが、ちょうどいいビルがあざみ野周辺にはなかったのかな。

「プラザ公園」角の喫茶店「パーク・サイド」で連絡を待つよう指示され、パーク・サイドに出向いたマリの母親。「プラザ公園」とは美しが丘公園のことで、パーク・サイドはこのドラマではしばしば出てくる喫茶店。残念ながら今はなくなっているらしい。

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ほとんど最後の方のシーン。多摩川河畔で「狂言犯人」をやる奈良たちを見つめるマリ。背後に映っているのは橋の形からして京王相模原線で、二ヶ領上河原堰のすぐ近く。岸本が隠れていたのは多摩川児童公園の付近らしい。ここでも東急ではなく京王が映っている。東急もそんなに目くじら立てなかったんでしょうね。



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今回もロケ地探しをやってみて、40年って本当に長いなあ…と思いました。ビルのテナントは入れ替わってるし、民家は建て替わっている。こういう新興の郊外都市は町に個性がないので、画面だけで特定するのは骨が折れます。まあ、だからおもしろいんですが。

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