自炊はやめた方がいい?
ひとりごと
2025-12-28
最近、というか少し前まで自炊にハマっていたのだけど、いろいろ考えてやめてしまいました。
昨今の物価高で「節約しなきゃ!」と外食は元より出勤日の昼の弁当もやめて自炊弁当を持参していたのだが、いろいろ計算してみると返って割があわないような。
ガス代が高い
自炊を始めたのがこの10月だったのだが、つい先日見た水道ガス料金のお知らせを見たらビックリ。9月より2,000円近くももガス代が上がっている。11月は2,000円以上上がって7,000円越え。うちはガスは暖房に使ってないし、11月だと風呂の追い炊きもそんなにやってない。これはどうも自炊のせいでしょうと。
カレーライス レトルトvs自炊
それに食材が高い。よく言われる「カレーライス レトルトvs自炊」で、レトルトカレーだと110円ぐらいでルー+肉野菜が買える(最近は120円ぐらいになってきてるが)。
ご飯がなんぼ高騰してると言っても、炊き上がり200gがまだ80円ぐらいでしょ?レトルトカレーをかけて食べても200円超えない。ご飯250g(どんぶり一杯分。カレーライスなら中盛ぐらい)でも100円そこそこだ。
牛肉だと例えば地元の生協で買うと、こまぎれ100gが430円とかですよ。まとめて4皿分つくったとしても、最低でも50g×4=200gぐらい必要で、それだと860円肉に使うことになる。
にんじん1本50円として2本で100円、じゃがいも8個で200円として2個使ったら50円、たまねぎ1個100円として野菜が合計275円。肉と野菜で具材が1,100円ぐらいで、カレールーがハウスのバーモントカレーだと12皿分300円で4皿分だと100円。
それで材料費が1,200円ぐらいでしょうか。もうこれで4で割ると300円で、レトルトに負けてるんですよ。ご飯足したら400円ぐらいになるから、レトルトに280円も負けている。
わが家常備のレトルトカレー。賞味期限が切れても大丈夫!
さっきのプラス2000円のガス代がすべて自炊による増加分だとすると、ひと月40食分ぐらい自炊してたから、一回の自炊につき50円ぐらいガス代がかかってる。コンロで鍋ふたつ同時に加熱、なんてこともやってたし。
カレーなんて煮込むのに何だかんだで30分ぐらいかかるから。中火で30分つけっぱなしですよ。風呂やったら沸いてまうやん、て話。
ガスたっか~となってしまったわけで、「家でカレーつくっておいしいね」とわが家でやってたわけですが、ガス料金見てビックリ。前みたいに駅前のスーパーで弁当買って食ってた方がマシでは?と思うようになってしまった。
「自炊のススメ」の眉唾
よく「自炊は節約になる」とかいう「自炊のススメ」系サイトなんか見てますと(たいていは食品会社のサイト)、調理一回当たりのガス代なんて数円程度などとまるで「無視できる数値」のように書いてますが、それってガス代が上がるウクライナ侵攻以前のデータですよ。
だいたいこういうサイトって、「自炊する人が増えれば儲かる」という会社のところが多い。つまり調味料とか冷凍食品などをつくってる会社で(味〇素とかニチ〇イ)、だから自炊をしましょうね、と誘導するのが目的なのだ(でなけりゃウェブ制作会社と料理研究家に金払わないでしょ)。
反対に「自炊はやめとけ」のサイトは、これまた宅配弁当の会社の息がかかってる一種のミラーサイト(ナッ〇ュとか三〇星ファーム)。個人のサイトに見せかけて、読みすすめるとちゃっかり宅配弁当の会社のリンクに誘導してあるのが大半だ。こういう情報元に気をつけないといけませんよ(その点うちは完全フリーですから)。
「200円」のライン
で、先日仕事やなんやで遅くなってさすがに疲れたから久しぶりに駅前のスーパーで弁当買って済ませようかな、と買いに行ったら、30%引きでしゃけ弁当が430円。昨日は閉店間際のフレンドマートで半額246円の天津飯弁当を1個だけ見つけて、得した気分になって買って帰って食べました(うまかった!)。
自炊で節約って、1食分200円が一つのラインかなと。それだと1か月200×3×30で18,000円で、総務省かどこかの家計調査だと一人暮らしの平均食費がひと月46,000円とかだから、実に30,000円近くも節約できる。
ところがですね、さっきの自炊カレーみたいに1食400円になると、36,000円だから節約幅は10,000円になってしまう。それに食材も高いから、200円で1食つくってもカロリーが足りないんですよね。カレーライスなんてほとんどご飯と牛肉でお腹を膨らましてるのに、どっちも高い。
それで何かほかに食べようかな、と思っても、チーズ1個でも6Pチーズだと1ピース50円、卵も1個30円ぐらいだから、自炊カレーに卵をトッピングしてインディアンカレーにすると、もう430円、チーズにサラダだと470円ぐらいになる。それって駅前スーパー弁当の3割引きと変わりませんよね、となる。
最強は駅前スーパー弁当
私は平日帰ってくるのが毎回7時半頃だから、その時分に駅前のスーパーに行くとたいていの弁当は2割3割引きで並んでる。中には4割とか先述の半額とかもある。それだと780円(税込)の豚しょうが焼き弁当とかハンバーグ弁当が4割引き468円で買えたりする。あくまでメニューを選ばなければの話だが。
だから、「今日は何を食べようかな」という視点ではなく、「今日は何が一番お買得か」という視点で、割引率と元値がもっとも高いものを選ぶ。それだとたいてい400円前後でボリューミーな弁当が買えるんですよ。
なんでこんなに駅前スーパー弁当が安いのか。レトルトカレーだもそうだが、やっぱり大量生産の勝利なんでしょう。
「自炊のコツはつくり置き」とたいていの「自炊のススメ」サイトは書いてあるのだが、それを突き詰めると大量生産による効率化となる。してみると、レトルトカレーのような大容量の鍋で一気につくった調理品には絶対かなわない。「つくり置き」=大量生産だから、個人と工場では比較にならない差がある。
スーパーマーケットでも裏の厨房で日々大量生産してるわけで、弁当だとたぶん毎日1000食分ぐらいつくってるでしょう。「一週間まとめてつくり置き」で一人で踏ん張って5食つくっても、1000食まとめてつくるのにはまったく追い付かないんだと思いますよ。
マスクに手袋のおばちゃんたちが熟練の手さばきで弁当のケースにしゃけやご飯を盛っていく。狭い台所で鍋やコンロと格闘しながらサラリーマンが悪戦苦闘するとのでは、しょせん勝負にならないのだ、と、そう思ってしまったわけですね。
第一、弁当を5食分とかつくり置いたら、それだけで1時間以上かかってしまう。夕食分もまとめてつくったらもう3時間越えは必至で、貴重な休日の半日が「つくり置き」で消えていく。この時間の消費はあまりにももったいない。
自炊はじめてから本も読めないし、ゆっくり音楽も聞けない。休みの日は「つくり置き」でぐったり疲れて、翌朝また早起きして満員電車に揺られる毎日。今まで電車の中で寝ることはあまりなかったのだけど、目の前の座席でスマホを握りしめながら眠り込む乗客たちを見ていて、私もこうなるのかと思うと嫌になりました。
「自炊はやめとけ」の真理
思うに、(というか誰でもわかることだけど)、自炊が節約になったのはデフレ時代が続いた平成以降の2018年頃までの話で、本格的にインフレモードに突入した2023年ぐらいからは、もう通用しなくなってるんだと思いますよ。
食費もガス代も高い、それにたいして料理が趣味でもないサラリーマンにとっては、自炊で失うものはあまりにも大きい。得るものは、あるかないかの節約額と、「栄養バランス」という抽象的なもの。でも自炊で睡眠不足になったら元も子もありませんがな。
「自炊のススメ」の個人サイトを見てるとほとんど苦行に近いような節約レシピを載せてるのもあるけれど、結局それは栄養失調のリスクを冒して無理やり「1食200円台」に抑えている。
デフレ時代にでも戻らない限り、自炊のメリットは限りなくゼロに近づいていく。アシモフの『鋼鉄都市』じゃないが、食事は徹底的に外注化した方が社会全体の効率も上がるのではなかろうか。