私鉄沿線97分署 第1話「プレハブだからSOS!!」
私鉄沿線97分署
2024-01-07
私鉄沿線97分署第1話「プレハブだからSOS!!」。1984年10月28日放送。※ゲスト出演者の役名の漢字は適当に当ててます。
東京都多摩川市という郊外型都市の警察署「97分署」。新庁舎建設のためのプレハブ仮庁舎には、主婦の万引きとか変質者の下着ドロとかの軽犯罪が毎日のように持ち込まれてくる。
新米刑事の片山(時任三郎)は、スーパーでリンゴを万引きした小学生の浩平を保護する。浩平の父は川崎市内で心臓発作で倒れて身元不明死体として処理され、母親は1年前に愛人と蒸発していた。「最近は多いんですよねえ、夫より、妻の家出が」とつぶやく本多刑事(坂口良子)。
署内の銃撃事件に巻き込まれてケガをした浩平。しかし浩平の血液型は特殊で、輸血できるのは母親だけ。
浩平が入院した「東都中央病院」。ロケ地は世田谷井上病院で、ここは今とほとんど変わってない。
刑事たちは必死に母親の夏江(奈美悦子)の行方を探すのだが、夏江は今は新宿でホステスをしているという。
夏江は歯の治療に通っているという情報をつかみ、97分署の刑事たちは新宿中の歯科医をしらみつぶしで当たる。歯科医院の情報を得るため「新宿歯科医師会」を訪れる刑事たち。
実際にはここはNtt西新宿ビルの1階で、今はコンビニになっているみたい。
西新宿で聞き込みにまわる片山。繁華街というか風俗街という感じ。片山の緩めたネクタイが80年代の雰囲気。
奈良刑事(鹿賀丈史)の背後にチラッと「新宿西口薬局」の看板が見えているが、この新宿西口薬局というのはビックカメラ新宿西口店に入っている薬局だろうか。
歯科医院はこのシーンでたくさん出てきたが、移転しているのか廃業しているのか、確認できないところも多かった。居酒屋とか美容院も映り込んでるけど、やはりわからなくなっているところが多い。新宿みたいなところだと店の入れ替わりもすごいだろうし。
夏江の勤める店を突き止め、血液輸送のため白バイが急行する。「麻雀野郎」の看板が見えるが、ここは現在は恵比寿のビルの4階に移転しているらしい。
前作同枠の西部警察とは打って変わって日常性を重視したリアルなストーリーで、毎回話にテーマ性があってなかなかよく出来たドラマなのだが、さすがに40年も経つといろいろ突っ込みどころもあるような気も…
ホステスとして客と歌う夏江を見る刑事たちの視線。「母親が子供ほっといて、何やってんだ!」みたいな、ちょっと男性寄りの視点も感じられるような。
本多は夏江を責めることはせず、浩平と一緒に暮らすかを、夏江自身の決断に委ねる。こういうところには80年代の新しさがあると思う。
監督の野田幸男は京大で戸浦六宏の劇団に参加したのち、東映で主にアクション映画をつくり、テレビ朝日で特捜最前線や土曜ワイド劇場などのドラマをつくったとか。野田が「私鉄沿線97分署」を担当したのはこの回だけだが、このシリーズの祖型というか作り方のパターンはこの第1回をおおむね踏襲しているように見えます。