私鉄沿線97分署 第22話「愛のサ・ク・ラ・チ・ル!」

私鉄沿線97分署

2024-01-07

1987年3月24日放送。監督は長谷部安春、脚本一色伸幸。

冒頭に出てくる97分署の独身寮「警視庁97分署 田園プラザ 男子独身寮」ですが、ここは今は横浜市青葉区美しが丘2丁目の「グランメール美しが丘」になっているみたい。隣の高圧線の土台の石壁?と、遠くに見える東急百貨店とイトーヨーカドーの看板からしてそうじゃないかな。

image



image

受験シーズンで医大を受けて3浪中の浪人生・佃佐和子(牛原千恵)と出勤途中で出会った片山。「コンタクトを落とした」と探す佐和子を片山は手伝ってやるが、「もう! ついてないことばっかり。私って天中殺なんだ!」と通行人に八つ当たりし、泣き出す佐和子。

「天中殺」というセリフがまた時代を感じてしまう。「天中殺入門」とかそういうおかしな本が流行ったような。

その夜、滝村課長(長門裕之)と倉田刑事(高橋長英)行きつけのカラオケ喫茶に誘われた片山と松元(小西博之)。滝村と倉田の下手なド演歌にウンザリするが、何者かが店のガラス窓に石をぶつけ、ガラス片に当たった客の一人が大怪我をしてしまう。そして店に脅迫電話がかかってくる。

この回のストーリーはなかなかよく練られていて、個人的には私鉄沿線97分署の中でも特にいい作品だったと思うのですが、それはともかく、またロケ現場探しを懲りずにやってしまう。

まず佐和子がコンタクトを探していた線路沿いの歩道ですが、ここは川崎市立鷺沼小学校前の道。東急田園都市線の鷺沼駅からほど近い所で、ここらへんは撮影当時とあまり変わっていない。

image



image

image

次にカラオケ喫茶「シレーヌ」の隣にあるという、佐和子の住んでいた学生マンション。川崎市宮前区鷺沼1丁目の「鷺沼ハイデンス」。シレーヌがあったのは隣接する鷺沼ビラスズキで、Googleアースで見たところでは今は空き店舗のようです。



まあたぶん、鷺沼小の前でコンタクト云々の撮影をして、それから鷺沼ハイデンス前で撮影したんじゃないのかなと。順序逆かもしれませんが。佐和子も片山も同じ衣装だし、距離も500メートルほどしか離れていないから。

何となく佐和子と散歩する片山。佐和子には底意があって片山に近づいたのだが、開業医の子で医学部受験を親に強制される佐和子に片山は同情する。二人の歩いているのは私鉄沿線97分署ではおなじみのロケ現場、たまプラーザ団地の7号館前の歩道。

image



image

佐和子が強引に片山をデートに誘い、二人は駅前の喫茶店で待ち合わせをする。たまプラーザ駅前の商店街を歩く佐和子。美しが丘1丁目の駅前の坂道。ビルの店舗はだいぶ入れ替わって面影も変わっているけど、レンガ造り風の段差に少し当時の雰囲気が残っている。道に停めてあるトラックのデザインが古くて愕然としてしまう。

image



この喫茶店も変わっているようで、今はだいぶ店の正面もリフォームしてますね。まあ、これもやっぱり40年も経つと、経営者とか代も変わりますからねえ…

image

ストーリーの終盤、松元と奈良刑事(鹿賀丈史)に護送される佐和子を追う片山。自転車に飛び乗ってたまプラーザ駅の線路下の隧道を駆け抜ける。右にチラッと見える四角い建物は「東急ドエル美しが丘テラス」。なかなか当時から未来派的なデザインでした。

image



最後に片山が佐和子の車に追いついて「白菜、うまかったあ~!」と絶叫するシーン。横浜市青葉区新石川2丁目の日吉元石川線。ここは撮影当時とはガラッと変わっている。

image

左に見えているのがコーポサテライトで、今は壁の色が塗り替わってる。坂道の奥に見えているのは石川坂マンションだと思う。

image



奥の高架橋は東名高速で、左側は川崎方面。今は道の両側にマンションや住宅がぎっしりですが、当時はまだこんな鄙びたところだったんだなと。時の移ろいを否が応でも感じてしまう。

image

「俺って、甘いですよね~」といつものように榊検視官(渡哲也)のコーヒーを飲みながら反省する片山。この回のヒロインの牛原千恵さんは、83年版の横溝正史シリーズ「本陣殺人事件」では鈴子の役をやっていて、当時見ていて「鈴子の人だ!」と思いました。

image