私鉄沿線97分署 第17話「うそ発見バトルロイヤル!」

私鉄沿線97分署

2024-03-30

1985年2月17日放映。24時間スーパーで強盗事件が発生。江沢孝司(丹波義隆)と金田一勲(三上剛仙)の2人が容疑者として浮上し、97分署の刑事たちは榊検視官(渡哲也)の協力の下、ウソ発見器で犯人を突き止めようとする、というお話し。

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この「旭屋ストアー」。今はもうなくなっているのか、どこにあったのかよくわからない。40年ほど前は近所にこういう庶民的なスーパーマーケットがあったものですが、だんだん減っているようですね。

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ポリグラフと言ったりウソ発見器と言ったり、科学警察研究所のホームページによると今でも捜査に使っているらしい。いかにもアナログな感じもするが、当時はこれでも最新技術だったのだろう。しかしどうも人権上問題もあるような…

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奈良(鹿賀丈史)と倉田(高橋長英)が金田一を尋問するとき、店屋物のカツ丼か何かをとってやる。倉田はカップ麺のうどんか何かを食べている。倉田に競馬の趣味があることが判明するシーン。

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江沢のアパート前で張り込みをする本多(坂口良子)と片山(時任三郎)。本多が肉まんを買ってきてやるのだが、「おいしい肉まんちゃん!」と頬ずりする演技なんか、坂口さんの素の感じが出ている。実際に肉まんとか頬張りながら張り込みするんでしょうか。

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江沢のアパートのすぐそばにあった野川水道橋(東京都世田谷区)。今は取り壊されて周辺も再整備されたようで、放映当時とは全然違う街並みになっている。当時は何だか小汚い所だったんだなあと。



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ポリグラフの結果がいまいちだったため、滝村課長(長門裕之)らは奈良のいう金田一犯人説に傾くが、榊検視官の側に立つ片山は、江沢犯人説を主張する。奈良にガツンと言われて反発した片山はむくれて飛び出してしまうが、本多が必死になだめ、喫茶店で話し合うシーン。

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道路の傾斜や擁壁の水抜き穴などからして、ここは美しが丘東小学校前の交差点ではないかと。今はこの喫茶店も美容室か何かになっているようですが。



やっぱり40年もたつとお店も変わるよなあ。レストランは平均30年ぐらいで入れ替わるそうですが。

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旭屋ストアーのレジの女子大生店員(広田玲央名)。ただの目撃者かと思ったらそうではなかったという話。

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「何年使ってんのお? 大変ねえ~公僕は」と片山のオンボロ自転車を小馬鹿にする生意気な女子大生。ミニバイク(スクーター?)を買ったの?と片山に聞かれると、「ジャスト・ナウ!」という答え方が古臭い。

この広田玲央名という人、私の子どもの頃は「笑っていいとも!」にレギュラーで出ていて、「お嫁に行けな~い」と恥ずかしがりながら馬鹿げたコントやギャグをやってるお姉さんでした。

小泉今日子との対談(『小泉放談』)では、「私は性的いたずら目的で誘拐されたことがある」などとすごいことをのたまってましたが、本当なんでしょうか?

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本多の指摘にピーンときた片山がこの女子大生(役名知りません)を追求する。「きみは仕送りが20万で、バイト代が10万だよね。家賃が8万、でもビデオやらステレオ買って、月々ローンを10万近く支払ってる。バイクが16万、計算が合わないよ」。

貯金はなかったの?という気もするが、「私の勝手でしょ!」とこれまた古臭いセリフでかわそうとしたこの女子大生も、片山の迫力に押されてあっさり白状してしまう。取調室で「だって、バレると思わなかったんだもん」と答えて、本多を呆れさせるこの女。

思いますに、80年代のこの時代、田中康夫の「クリスタル族」のようなリッチな大学生が話題になった頃でした。とはいえ、消費生活を満喫するには何より金が要る。バイトしても足りずに出来心で金をくすねてしまう女子大生というのは、当時いかにもありがちな設定でした。

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白バイ警官の三木(野村将希)が江沢にウソを言い、江沢にウソのアリバイを言わせて江沢を逮捕する。これって違法捜査じゃないんでしょうか? そこはドラマだからかな。

金欲しさに女子大生やサラリーマンがあっさりと強盗や窃盗に手を染める。それに対してあまり罪悪感もないというお話しで、当時の犯罪のあり方が実際そうだったのか、ちょっとよくわかりませんが、だんだんと軽薄なご時世になってきたのを風刺したようなストーリーでした。

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