私鉄沿線97分署 第6話「もう一度ハッピネス」

私鉄沿線97分署

2024-05-04

1985年12月2日放映。榊検視官(渡哲也)の助手を勤める相原恵子(早見優)の父親役で八名信夫が出演した回。恵子の父はなぜか片山(時任三郎)に目をつけ、恵子の婿になって実家の酒屋を継いでほしいというのだが… これはサブストーリーで、メインも父と娘の葛藤の話になっている。

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マンションの一室で外車のセールスマンの清水が撲殺されているのが見つかる。清水はかなりの女好きで、事件も女性関係からアプローチすることに。清水のメモ帳から浮かび上がった保育園の保母の木内典子(三浦リカ)。典子は「友人の結婚式の帰りに車で送ってもらっただけです」と言うのだが、清水はしつこく付きまとっていたという。やがて、この保育園のそばで焼き芋を売っていた平尾(犬塚弘)が「清水を殺したのは私です」と自首してくる。

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典子の保育園に通う女の子・ゆかりとその父親の三好(広瀬昌助)。ゆかりの母はすでに亡く、三好と典子は結婚するつもりだった。実は平尾は典子の父親で、本多杏子(坂口良子)は、平尾が娘を庇っているのではないかと疑い、平尾を問い詰めるが、狭心症の末期だった平尾は留置所で倒れてしまう。

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20年前に自分と母を捨てた平尾を、典子は許していなかった。水戸黄門でおなじみの三浦リカさん。「自分に父はいない」と冷たく言い放つところが印象的でした。

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三好は典子を説得し、杏子に罪を告白する。マンションで清水と三好はもみ合いになり、倒れた清水は鉄アレイに頭をぶつけて死亡したのだった。

当時はこんな風に「殺してしまった」という刑事ドラマが多かったけど、こういうのは殺人の故意がないから、せいぜい傷害致死じゃないのかな。もみ合ってるうちに相手が倒れて頭ぶつけて死んじゃう、というのがお決まりのパターンだった。

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「身から出た錆です」と杏子に話す平尾。本当は自分が清水を殺すつもりだったのだと言う。

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最近お亡くなりになられた犬塚さん。「徹子の部屋」では、終戦直後に勤めたIBMで「おい、イエロー」と言われ、言ったそいつを「パキャーッ!」とぶん殴って辞めてしまったとか。それで家には楽器がいっぱいあるから、ミュージシャンになろうとこの道へ、と言っておられました。

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もう一人印象的だったのが広瀬昌助さん。私は結構好きな俳優さんで、誠実で奥行きのある、いい味の演技をする方だと思います。この方も早くに亡くなられてとても惜しいことでした。この回では「あの人を犠牲にして、俺たちが幸せになってもいいのか」と、必死の表情で典子に言うシーンが特によかったですね。

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見合いを勧める杏子のお母さん(北村昌子)。割とガチャガチャした感じでご飯をかき込む坂口さんがこれも妙に印象的でした。お箸をじかに机に置いて立ち上がるところなんか、演技なんでしょうけど、あんまり品はよくないですね。

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今でもそうなのか知らんけど、ドラマにアイドル歌手が一人ぐらい出る枠があったような気がする。97分署の早見優もそれではないか。イエローキャブが流行り出すとグラビアアイドルがそれに取って代わって、NHKの大河まで進出するようになるが。

話としてはよくある親子もの、父娘ものなんだけど、出演者の方々の演技がよかったかなと。八名さんも当時はすでに悪役+コミカルみたいな感じで幅広く活躍しておられましたね。

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